猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

新日本誕生観てきたので、物書きさん視点の覚書

ということとで、表題通り「ドラえもん 新・のび太の日本誕生」を観てきたのでした。

doraeiga.com

 

 

考えてみると不思議なもので、自分が子どもの時に夢中になっていた映画をチビさん達が心待ちにしているという。特に下のチビは映画館が大好きで、結局行けなかったのですが「スターウォーズ」を観たいとのたまう。そのうち、レンタルで旧3部作を見せてあげたいと思います。読書も物書きも大好きな子ども達は血が争えないなぁ、なんて思いながら。

 

ということで、僕・相方さん・姉・弟、オカザキさん家フルメンバーで劇場に行ってきました。

 


・僕は旧作、原作を観覧済み。
・相方さん……観たことない
・長女 原作は学童保育で、旧作はレンタルで。
・弟  姉に同じ。

一番、事前情報何のが相方さんなのはさておき。
僕の視点はあくまで、旧作を読んでいることを前提ではありますが。
これから観る方で、旧作のイメージが強い方は、旧作や原作を意識せず、純粋に楽しむ事をお勧めします。

旧作と新作で、原作が一緒でも全く同じものを作っても意味がない、というのが制作側のメッセージかな、とも思うのですが。
藤子先生の大切にしていたものを守りつつ、時代とともに変わるテーマに沿ったと言うべきか。

もしくは、かつてドラえもんを観ていた、今は大人なコドモタチに向けての新たなる日本誕生という意味合いもあるかもしれません。

今回のテーマは「家出」なんですね。(旧作もですが)
子ども達から見て、理不尽な大人達の物言い。大人からしてみれば、その子の為。教育、躾、期待。それを加重にも寄せる訳ですが。

子どもは、オトナのミニチュアではないので、当然、沿えない想いには反発します。でも現代の社会には、土地には所有主人がいて、完全な意味での自分だけの場所なんてありえない。

かつて観たシーンですが、今観るとじぃんとくる。


そんなのび太くんたちが選んだ方針は、人がまだ日本にいない7万年前にタイムマシーンで行くことでした。

大人達からの自立でもがく子ども達。
旧作では、さりげない大人のサポートがありました。■■が介入してくれたので。(伏字は、まぁお楽しみで。原作ご存知の方はハハァと納得してそのまま黙ってくださいw)

※ちなみに■■は略称2文字です。

でも今回はその演出は、極力抑えられている。
その代わり、最後までもがく。足掻く。

のび太のパパさんが言ったんですよ。

「僕にもおぼえがあるんだよ」

って。

「籠の中ばかりじゃ息がつまるよな」

って。

 

 

僕も想うことがあるのです。
■■に助けられたあの頃ののび太くんも好きだった。

でも、ただ自分たちの力で友達を助けようと思った、まっすぐな今回ののび太くんも僕はたまらなく好きで。

現実を知る。
そして大人になる。
大人になりきれない。
そんな大人もたくさんいる。
子どもの為を想う。
それが一方通行だとしても。

でも、それでいいんだと思う。
ネズミが嫌いでも、テストが0点でも、母ちゃんに怒られても、過度に期待されても、どんな理由でも。

舞台は7万年前でなくてもいい。
少しだけ、ワクワクできたら。そんな僕らにとっての「日本誕生」はドコにだって転がっている。

 

 

主題歌が流れたら、一緒に歌う。
のび太君やジャイアンがおどけたら、声をあげて笑う。
ピンチで「頑張れー!」って声が幾十にも飛ぶ。


嗚呼、こんな映画の見方も素敵じゃないか。
この瞬間、僕らの日本誕生に出会った気がして
映画以上に涙腺が緩んだのは、内緒なんだからね!