君の色
「どの色がいいかなぁ」
ニコニコ顔で言う。憧れていた先輩とのデートらしいが、デートで着る服の相談ぐらい、女子としろと思う。
そう言うと、男子視点での評価が欲しいからよ、と楽し気に笑う。
思わず僕が指をさしたのは真っ白なワンピースで。
「へぇ、こういうのが好みなんだね」
好みも何も、君が好きな色だから。
「デート楽しんでおいで」
我ながら作り笑いが上手くなったと思う。
真っ白なワンピースを着た彼女が目の前にいて唖然とする。
「デートは?」
「片思いの人がね、気を引いても、一向に鈍感な人だったからね、しびれを切らしたのでした」
ニッコリ笑って、僕の言葉を待つつもりらしい。
答えも何も――ずっと前から、君色に染まっている。
1時間が経過しました。27名様の素敵な「色」の作品が集まってます。色のあふれる季節、様々な「色」にまつわる光景を作品にして下さい。詳しい概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って24時までに #Twitter300字ss のタグをつけて投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2017年5月6日
と言うことで、Twitter300字SS参加作品でした。
久々に、恋愛もの純度100%で。
ではでは。