猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

あなたに渡したいものがあるのに

 

 丁寧に包み込まれた貢物は、過剰な想いがこめられているのを実感する。
 送り主は、どれ程の気持ちをこめて贈答しようとしたのか。包装に触れるだけで、電流が走るのを感じる。
 美しい金糸に織り込んだ感情は溢れんばかりの――嫉妬で。
「呪いの解除が完了しました」
 その瞬間、火の粉が舞い、激しく燃え上がった。

 

 

 

 


「君は寄せられる感情をもう少し疑うべきだと思うよ」
「無下に断るわけにも行かないだろ?」
 そんなやり取りを聞きながら、宮廷魔術師は小さく息をつく。近衛騎士たる彼女を陛下は寵愛しているのは見るに明らかで。貴族達が面白い訳がない。
(私だってそうなんですよ?)
 昔から慕っていても、陛下にこの想いは届かない。

 

 

 

 

ということで、恒例の300字SS参加作品です。

今回は「渡す」ということで。

以前、書いた「未来を彩る飾り付けを」で書いた

陛下と騎士ちゃんのその後というか、まぁそんな感じで。

鈍感も度を越すと、罪でしかないということで(笑)

 

なかなか他の方の作品を読めてないので、今回は読むぞ、と誓いを新たに。

他の方の作品を楽しみに読むのです。

ではでは。