魔法をかけるなら、秋が良い
魔法を一つかけるのにも手順は重要だ。正確な呪文、正確な陣、手入れされた法具、厳選された供物、そして清涼な空気のある場所が必要で。
雨を降らせる、それだけでも魔力と接続するには細心の注意が必要で。下手をすればその力が逆流して、術者の魔力を根こそぎ奪ってしまう。
まして、魔法で人を殺めるとなればなおさら。
神術使いの最高峰、銀巫女と言われた子は無邪気に微笑む。俺が黒魔術士であるとは微塵にも思わないと言わんばかりの警戒心の無さで。
彼女は魔法陣に足を踏み入れた。
秋は静謐な空気が流れる。黄昏時、まさに魔力が強く高まるこの刹那に――。
「一目惚れって、信じます?」
魔法をかけられたのは――多分、俺で。
今夜開催です。第四十六回のお題は「秋」です。秋を入れても入れなくてもOKです。秋を感じる光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY に沿って今夜21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2018年9月1日
恒例のtwitter300字SS参加作品です。
今回は「秋」
直接「秋」という単語を出してしまって、季節の空気感とか出せなくてちょっと消化不良ですが、タイトルが無造作に思いついて。書き切ったら、今は満足してます。
さて、他の方の珠玉な秋を満喫しますかね。