猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

騎士には王が必要で

 王子が連れ帰った貧民街の剣客に興味があった。
 先王崩御後、宰相が政を動かす。宰相は王子が何をしても興味ないという無礼な素振りで。

 仕えるべき王がいない現実が苦い。

 鬱憤を晴らしたかったのだ。
 手合わせを申し入れ――彼女はあっさりと承諾をする。
 近衛騎士と勝負をする気なのかと呆れたが――その数刻後、土を舐めさせられたのは私だった。


「まぁまぁだね」

 と彼女は言う。蝶が舞うような所作は見事で。

「あの子の害になるなら切り捨てようと思ったけど、あなたは違うのね」

 試されたのは、私と言うことか。

 と、それを見ていた王子が手を伸ばす。勿体無いと思いながら、私はその掌に触れた。
 仕えるべき王ならここにいる。

 

 

 

 

 

と言うことで、月に1回のお楽しみ。

Twitter300字SS、今回は「試す」でした。

しかし、自分で書いていながら、この子好きだわ。名前決めてないけど(え?
そして「試す」って、かなり難しかったけど、今回も。

以前書いた作品のキャラに最近なっているのは、余裕がないからか。

できれば完全新作で挑みたいところです。