霧の輪舞
雨季が一年の半分を占めるここスチームシティーでは、霧が晴れることはない。
「ジョン、準備はいいかい?」
とアーサーは鹿追帽を被りなおしながら僕に言う。君が決めたのなら僕はそれに従うだけだ。
「ここで間違いない?」
「煙草の銘柄、赤土を踏みしめた革靴、全て明確な推理の結果だよ」
霧が街灯の光を吸い上げるようで。
その刹那、朧げに影が揺れたのを僕は見逃さなかった。外殻を脱ぎ捨て、僕は吠える。
「ジョン、上出来だよ」
「なんで、バスカヴィルの魔犬が――」
吸血鬼が呻くのもお構い無しに僕は噛み砕く。吸血鬼風情が僕を知っていることに驚くが、それもどうでもいい。
アーサー、君は本当に僕を退屈させない。
開始1時間が過ぎました。28名様の素敵な「霧」の作品が集まっています。お題は「霧」です。霧雨、霧吹き等、霧の入った言葉、比喩表現でもOKです。「霧」のある光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2018年11月3日
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第48回目のお題は「霧」ということで、
もう世界観が、これしかなくて。
シャーロッキアンに怒られそうですが、
大好きなので、許してもらえたら!
今回も楽しかったです!