小さな灯り
蝋燭にマッチで火を灯す。火と表すにはあまりにも弱々しい灯火で、王宮の燦々としたランタンの明かりから考えたら、なんて弱々しいんだろうと思う。
でも、この弱い光だからこそ、肩を寄せるようにみんなが寄り添う。この瞬間は、城ではとうてい味わえない。
「物好きだね」
と彼女は笑う。王城ではパーティーのまっただ中。影武者が今頃四苦八苦しながら、僕に向けて呪詛を送っているに違いない。
孤児院で育った君は、僕の騎士となったが――僕はこの国の貧困を、まだまだ何も解決できずにいる。
火を灯すのだ。民の生活に――そんな王にならないといけない。
でも今は――。
「メリークリスマス!」
無邪気に声が重なった。
今夜21時開催です。第四十九回のお題は「灯す」です。電灯、灯台等、「灯」の入った言葉でもOKです。「灯す」のある光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2018年12月1日
に沿って21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい
今回はやや不消化ですが。
まぁ、書けるその時の精一杯ということで。
影武者君の話はまた書きたいかもしれません。
しかし王子な僕と、騎士の彼女にいい加減名前をつけないと……(プロット上もまだないw
それでも今回も、楽しく300字SSに参加させていただきました!