猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

指が音を求めるけれど

 かつてロックシーンを彩っていた時期もあったが、すっかり音楽業界に嫌気がさし、今や高校教師に返り咲いている。
 あれほど嫌いになった音楽なのに、残業していると、ギターを触りたくなる時がある。音楽室の防音設備なら聞かれることもない。聞かれたところで、困ることもないし音楽に未練もない。ただ衝動時に音に触れたくなる時があるのだ。
(嫌いになったはずなのにな)
 苦笑いを浮かべながら、弦を爪弾き、口ずさむ。
「斉藤先生って、ワトスンの慶?」
 女子の声に遮られて、音が途切れた。なんでコノ時間にウチの生徒がとか、なんでムカシの俺を知っている、とか、色々渦巻くなか――指だけが、弦に触れようと揺れていた。

 

 

 

 

 

毎度恒例、Twitter300字SS参加作品」でした。

今回は「歌」という興味深いお題でしたが、

思い描きながら、時間があっという間に過ぎ去ってしまったというのが本音です。

いろいろと思い浮かべたことはあって、

「失われた音楽」だったりとか、「吟遊詩人」「疲弊した人々に勇気をもたらす音楽」だったりとか、色々と思い浮かべるものはあったのですが、

昔書こうとしていた、小説で音楽を表現したい、ロックンロールを書きたい、ロックな恋愛ものを書いてみいたいという思いで書いたプロットを掘り起こしてみたのでした。

 

結果。300字SSとしては不消化でしたが、

まぁ参加できただけで良しとさせていただこうとポジティブシンキング。

今回は自分の作品よりも、参加される他の方の作品が楽しみでなりません。

とりあえずは、今回も参加できてよかったです。

 

 

【追記】

一晩寝て見直してみたら、歌というテーマなのに、歌が具体的にでていなかったので、ちょっと微修正をしました。大変、失礼いたしました。