この時間だけ演じれば
社交界なんて興味もないが、王家が主催するパーティーとなれば参加しない訳にもいかない。どうせ私みたいな女に声をかける紳士なんているはずが――。
「僕と一曲踊ってくれないかな?」
声をかけてきたのは王子で。彼曰く、色目を使う淑女に食傷気味らしい。私は精一杯の演技で礼をするが「普通でいいよ」と言う。着飾った言葉は好きじゃない、と。私も良縁なんか期待してないので、「それなら好きにさせてもらうわ」と言うと、むしろ王子は嬉しそうだった。曲が終わって、王子は近衛騎士の元へと戻っていく。騎士の彼女は「ご令嬢に失礼はなかったよね?」と心配してくれたその言葉が聞こえないほど――私の鼓動が止まらないのは、どうして?
1時間後開催です。第五十七回のお題は「演じる」です。演技、演奏、演説等、「演」の入る言葉でもOKです。「演じる」光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) September 7, 2019
に沿って21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい
twitter300字SS参加作品
テーマ「演じる」でした。
いつもの王子様と、騎士の彼女の世界観で。
実は、もう1本短編を書いたのですが(完全オリジナルですが)、これは今回、見送りで。また投稿サイトの方にアップしようかと。
今回も参加できてよかったです。