書簡
言葉を書き記す。最初はただの余興、回顧録のつもりだった。言葉で、過ぎた過去を、事実を振り返りながら無造作に書いて。ごく当たり前のこと、ごく当たり前の事実、それだけのはずなのに、不思議と忘れていたことまで思い出して。通り過ぎた風景、誰かの横顔、時には流血もあった。まるで喜劇のように繰り返す、それが歴史なのだ。
愚かな――とも思うが、悪くもなかった。
君を拾った過去にまで行き着いて。
君を失ってから気付く。700年ほどたっているのに。忘れていた。君の言葉も、君といた喜びすらも。
言葉で書き記しながら、君の欠片を探す旅に出るのも、今なら悪くない。
今さらだけど、千年魔女は君に恋をしていたのだよ。
第六十四回のお題は「書く」です。書簡、書架、偽書等「書」の入る言葉でもOKです。「書く」のある光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2020年5月1日
に沿って5/2日21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい。
300文字。
第64回Twitter300字SS参加作品
テーマ「書く」でした。
書くことが好きな人間なので、
書くことで回顧しながら、
どれだけ好きだったのかを
想い綴る千年魔女なんて、いかがでしょうか。
ちょおっと書いていて、自分でキュンキュンしていたから
僕はバカです(笑)
今回も参加できてよかったです。
お読みいただき、ありがとうございました。