君に触れたい(限りなく水色に近い緋色)
いつも、リードしてくれるのは彼で。だから、自分は彼に甘えているのが分かる。それではいけないと思いながらも、彼がさりげなく背中を押してくれたり、手を差しのべてくれる。それが嬉しいと思うし、ほんの些細なふれあいが当たり前になっていて、かけがえのない時間になっている。それを自分で実感するのだ。
今だってそうだ。こうやって私が求める前に、彼はそっと抱きしめてくれる。
「ひなた?」
嬉しいな、って思う。でもそれで甘えているだけじゃ何も変わらない。
だから、私だって勇気を出さなくちゃ――そう思う。
もらってばかりじゃダメだ。受け取ったままで、返さないのはいけない。
(私だって、私の気持ちを、私の思っていることをしたい)
だから、背伸びをして、ほんの少し高い彼に向かって距離を縮めようとした。
彼が目をパチクリとさせるのが視界に飛び込んできたけど、あえて目を閉じる。
爽君の姿は瞼の裏側に、今でもしっかりと映っていて。
――躊躇わない。
その唇で、爽の言葉を奪った。
――った?
ひなたは目をパチクリさせる。自分の首にガシッとしがみついているのは、5歳の女の子――みのりで。
そうだった。
お泊りにきていたんだった。
(夢?)
そう思うだけで、頬が熱い。私はなんてことを思って――。
自惚れている、と思う。
爽が優しさを、自分に対しての愛情と勘違いしちゃダメだ、と思う。彼は誰にでも優しいのだ。それは均等で平等な優しさで。その優しさに勝手に依存するのは絶対にダメだ。まして夢を見て、自分の勝手な理想を押し付けちゃいけない、と思う。
思う――思うのだけど――どうしてあんな夢をみてしまったんだろう?
分からないけど、どうしてか分からないけれど、妙に幸せな気分に包まれて。
この感情は、いったい何なんだろう?
今日はキスの日なのかぁ。なんか書けないかなぁと画策してみよう。
— 尾岡レキ (@oka_reo) 2020年5月23日
まぁ、そんな理由で書いてみました。
うん、書けてよかった。
でも本編書かなくちゃ^^;