猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

「おかえりなさぁい♡ ごはんにする? お風呂にする? それとも、わ・た・し?」

 

とんでもないことになってしまった。

ことの発端は、こんなタグを使ったお遊びでした。

 

 

 

反応なんか無いだろ、と思っていたら

 

 

 

 

と言うことで、タイトルに戻る。爆死、悶絶したよ、おいら。

拙作「限りなく水色に近い緋色」のキャラですので、

知らない人にはなんのことやら。でも、やっていくのであります!

 

 

 

宗方ひなたの場合

 

 息を吸い込む。手、手が震える。

「お、お帰りなさい、ご、ご飯にする? お、お風呂? それ、と、も、わだし?」

「なんか、訛ってるけど? セリフ完璧じゃ無いし」

「ムリ、ムリ、だって爽君、こんなのムリ! ムリ!」

「顔赤いよ?」

「これ、だって新婚さんとか、同棲カップルさんたちのあれよね!」

「そうだね」

「爽君、聞いてもいい?」

「うん?」

「ご飯とお風呂はわかるんだけど、わ・た・し? って、これトレーニングってこと?」

「……いや、そう言うことじゃなくて」

「お風呂なら、トレーニングの後がいいし、ご飯食べた後の方がトレーニングはいいよね?」

「そう言うことじゃないんだけどねぇ」

 そもそもが鈍くてずれてるんだ。小さくため息をつく彼の受難は続く。

 

 

水原爽君の場合

 

「ひなた」

「え?」

 耳元で囁くように言われて、ひなたの体がピクンと跳ねる。

「おかえり。ご飯にする? お風呂にする?」

「え?」

「それとも、俺にする? 俺にしようか? 俺もひなたがいいな、ねぇ、ひなた」

「まってまってまって!」

「なに、桑島?」

「すごい、ピンク! まずい、全年齢の空気じゃない!」

「一応、R-15だから、これぐらい許容範囲じゃ――」

「それ、気絶してるひな先輩を前にして言える?」

「あ――」

「刺激が強すぎなんだって!」

「じゃぁ、桑島で」

「最悪! 最低!」

「って、原稿に書いてあるからさ」

「なにそれ!」

「ご飯にする、お風呂にする、それとも――」

「そ、そんなことを言われたら……」

「トレーニング・鬼メニューにしようか?」

「……へ?」

 

言葉にならない絶望が響き渡るが、助けの手は誰からも差し伸べられなかった。

 

 

 

実験室室長フラスコの場合

 

「お帰りなさい。実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? 実験にしますか? それとも実験にしますか?」

 

「実験しかない!」

 

 

あなたは、どれ?(笑)

 

 

 

「限りなく水色に近い緋色」は

 

kakuyomu.jp

 

taskey.me

 

ncode.syosetu.com

 

で連載中です。本編はおふざけモードなく、ほぼシリアスな現在SFですが、よろしければ。

 

 

今週のお題「2017年にやりたいこと」

 

たまにお題に挑戦しようと思います。新年明けました。おめでとうございました。

 

2017年、創作はまぁ当たり前です。

ちなみに方言で「あだりめかだりめけっつのわれめ」というのがありまして、どうやら石巻の方言だったらしいのですが(ズーズー弁と言います)が、まぁそれもどうでもいいですね。

 

創作の話でいうと、確実に創作をしていきたい。

ブログで書き散らしながら、300字SSやワンライにも挑戦したい。自主企画は……。気力がないんですが、どなたか面白そうな企画があれば参加したいと思います。

でも人見知りなので、見送ったりの2016。あぁ、今年もきっと変わらないよね

(ダメじゃん)

 

お仕事の話では、勉強の年でしょうか。

勢いで来ましたが、ケアマネジャーとしては、医療の勉強をよりしていかないといけないと思うし、認定ケアマネジャー取得のためにも学会入会を、よも思ってるし。社会福祉士もいい加減視野に考えていきたいし。

 

家の下では、チビさんと遊びに行ったり、家の模様替えをそそろしたい。

今しかできない事は意外に多い。

今できないことは、来年になってもできない。

まぁ、これは創作にも言えますね。

 

今やりたい。

でも、できることはできるし、

できないことはできない。

 

じゃぁ、いろいろやりたいなら、

体力をつけていくしかない。

 

そんな理由から、

根本的に、運動不足解消も狙っていこうかと思う2017年計画。

 

どうぞ、皆様。

本年も良き年でありますように。

二年を跨ぐ

 


 寒くて、手がかじかむ。こんなことなら手袋を持って来れば良かった、と思う。でも、それを通り越すぐらい、みんなと一緒の新年は暖かかった。

 大晦日の夜からお参りする事を「二年参り」という。言葉自身は聞いたことがあったが、いざこうやって自分がしていると思うと、ドキドキが止まらない。

 何のことはない。やることと言ったら、新年を跨ぐ、その数分だけの為に夜更かしをする。妙にみんな浮かれた顔をして、知らない人と一緒につられてしまう。

 なんて単純なんだろう、と思いながら。

 と、隣にいつもいてくれる彼が、手を引き寄せて自分のコートのポケットへその手を入れた、一瞬。刹那、息をついたほんの少しと、瞬きするような間に。

 花火が打ち上がり、太鼓を打ち鳴らす。

「happy new year!」

 誰となく、連呼して。
 一年をまたいで、次の一年へ。時計が刻むのはほんの数分。それを二年参りと言うのは、なんて大袈裟何だろうと思っていたけど――。

「ひなた」

 名前を囁かれて、耳が熱い。この喧騒の中で、しっかりと彼の声が聞こえていた。

「今年もよろしく」
「こ、こちらこそ、爽君……」
「あ、先輩、二人の世界入ってるー」

 割り込む声が、この場所では二人だけでいられないのは当然で。

「入ってないし」
「水原君って、こんなに積極的だったんだね、へぇ」
「意味わからないし」
「宗方さんが顔を真っ赤にしているのは、甘酒?」
「姉さん、ひなたに絡むな」
「そろそろ、俺もひなちゃんと仲良くなる時間もらおうかな」
「涼太、あるわけないだろ?」

 どんなに言われても、コートの中の手は離れなくて。
 今年も良い一年でありますように、とはなんて強欲なんだろう。みんなが一緒で、こんなにも幸せなのに、さらに幸せを望むだなんて。きっと、神様も呆れてる。
 でも――。

「せーの!」

 と声が上がって

「あけまして、おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「あけおめっ!」
「桑島、だからお前は日本語を正しく――」
「はぴいやー!」
「だから!」

 魔法の言葉のように重なって。

 神様に呆れられても。

 この時間が大切なんです、神様。強欲と思われても、欲張りと思われても。

 ひなたは弾けるように、笑いが止まらない。
 それはみんなも一緒で。
 それでもその手を離さない――。

 

 

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最近、ブログの使い方がSSの書き置き場になってますが、

改めまして、あけましておめでとうございます。

「限りなく水色に近い緋色」より、ひなた、爽、ゆかり、茜、彩子、涼太でお送りしました。

書いておきたかったので、書けて幸せ。本編はまだ、ここまで距離が近くないひなたですが、その手を離さないぐらい積極的な日向は、もう少し先でしょうか。

 

何はともあれ、このブログ共々、今年もよろしくお願いいたします!

葛湯・チラシ・電気

 

葛湯と葛根を間違えた(笑)

まぁ、ご愛嬌で。

小説妖精ノベルちゃん様(?)

ありがとうございました!

 

甘露

 

 ここは桃の花が咲き乱れる。甘く、芳しく。その中で、男性器も女性器も持たない、裸の【彼女】が横たわる。
 仙人ともなれば、性別も表情も失われることは当然ながら、命の重さも軽くなる。仙術を志す、感情を残した生き物たちを見やりながら。
 桃の園は、その甘い香りに秘術を匿す。
 ここにいる誰もが、【甘露】を――命の粒を追い求めている。このうちの何人が、仙人として桃の園に残ることができるのだろうか。
 仙人は、知識を生き移す。海のような空を見やりながら、昔は【彼女】と認識されていた仙人は思いふける。
 この中の何人が、仙人として生き残られるか。
 誘惑にも等しい桃の香りは、虚構を彩る。だって、【甘露】は仙人になれなかったなれの果て。
 永遠を生きる仙人は、仙人の命で食いつなぐ。
 昨日食したあの子は、極上の美味であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな流れで、即興でできたショートショートでした。

本当に即興で申し訳ない。

 

 

 

薬園台トヲル様、ありがとうございました!

火焔の少女

 研究サンプルとして生まれた私の能力は発火能力(パイロキネシス)だった。当時の私は、力の制御ができず感情的になると、すぐに炎が燃え上がった。

 だから決めたのだ、怒らない、泣かない、喜ばないと。
 だって私が、貴方を焼いてしまったのだから。

「まだ、そんなことを思ってるの?」

 彼は変わらない顔で、微笑む。暖かい炎に薪を加えながら、火を囲むみんなの顔が笑顔で。

 どうして、そんな顔をするの? 私が貴方を焼いたのに。

「そんなの、ひなたが大切だからに決まってるじゃん」

 恥ずかしげもなく言う。
 でも――私をライター代わりにしていい理由にならない。

「怒るなって、ごめん」

 ゆ・る・さ・な・い!

 

 

 

拙作、限りなく水色に近い緋色のひなたと爽から。

お題「火・炎」で思いついたのがこれでした。

クオリティー?

え? なにそれ、美味しいの?

今回は遅刻でしたので、これでご容赦を!

最後の吸血鬼

 


 それは汚れをなにひとつ許さない、絹のドレスを纏った少女の肖像画だった。表情は硬く、笑むことなく、むしろ瞳孔は見開かれて。愛らしさと恐れが入り混じって、違和感しかなく、私は思わす立ち止まった。
 時計が鐘を打ち鳴らし、時刻を告げる。
 周りには誰もいない。
 表題は「最後の吸血鬼」
 あまりにも可憐な少女に、それは似合わないと思ってしまった。
 と――白い腕が、ドレスが、花の香りが、私の腕を掴む。
(え?)
 刹那でドレスを着せられた私と、パンツスーツを着た、絵のなかの少女が入れ替わって。
 ありがとうね。
 絵の前で、少女は嗤った。
 300年は長かったけど、ようやく私、血が吸えるわ。
 

 

twitter300字SS参加作品。

 

 

 

吸血鬼好きだなー、おいら(笑)