猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

君がいるから呼吸ができる 32 エピソード蛇足。

 

お遊び的に蛇足。

 

 

 

【弥生先生による月が綺麗ですね講座】

 

月が綺麗ですね、について。

 

「上川君。それを下河さんに言ったわけ?」
「まぁ」
「意味分かってなかったの?」
「えぇ」
「ただね、これを漱石大先生が言ったかどうかは分からなくて。俗説的なのよ。文献は一切残ってないからね。i love youの意訳ってワケ」
「穴があったら入りたい……」
「ちなみに、そのアンサーは『死んでももいいわ』だけどね。これはロシア小説【片恋】を訳した二葉亭四迷が、『あなたのものよ』を『死んでもいいわ』と意訳したから、なんだけどね」
「それは――死なれたら困るな、俺」
「……えっと、上川君?」
「雪姫と一緒に見て回りたいところが一緒にあるのに。それはやっぱりイヤだ」
「(はいはい、下河さんのことになると周りが見えなくなるのよね、この子。ちなみに下河さんは、なんて答えるんだろうねぇ)」

 


【下河雪姫の場合】

 

(死んでもいいわ、なんて冗談でも言いたくない。でも、手を伸ばせば届くかも。これなら、冬君に伝えたい……って私、何を考えているんだろう……)