猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

2019-01-01から1年間の記事一覧

2019年を振り返る

感覚的にはまったく2019年が終わる感覚はなくて不消化な部分が多々あるのですが、まぁそうは言っても、今年は終わりますので。節目だけ書くのもあれですが、2019年を振り返ろうと思います。 1)創作地道に少しずつ「限りなく水色に近い緋色」を書き…

託宣

厳粛な儀式の中、神は聖女のもとに降りてくる。神卸の儀式である。神託を得て、国主へ託宣を送る。敬虔な信仰がこの国を支えてきたのは間違いない。 神が降りる瞬間には、光が乱舞し、虹が聖女を中心に煌めいては駆け巡る。 ――あぁ儂や。ほら王子がおるやろ…

君に告げる

手遅れってこういうことなんだな、と目を閉じる。お祝いの言葉を本当は送るべきなのに、言葉が出てこない。頭が真っ白になるとは、こういう時に使う言葉なのか。だから振り絞って、君に「おめでとう」って言った。君は怪訝そうな表情を浮かべて。よく見たら…

むこうがわ

天井に小さな窓が一つ。何年、ここに閉じ込められているのかも忘れてしまった。人間につかまったのが運の尽きだったと思う。寿命が長い翼人族にとっては、苦痛でしかない。 羽根を広げることにも苦労する狭さで。なびかない少女にしびれをきらした貴族は、そ…

うたた寝

宿主が起きていれば、こちらは眠る。だがずっと寝ている訳ではないので、朦朧とした意識の中で、宿主が泣いているのはよく見ていた。心ない言葉が、宿主を突き刺す。その度に隠れて泣くのが彼女だった。 何回か、宿主の意識を奪って、妾が灼いてやった。人を…

ずっと夢見てた

大切なことは全部諦めてきた。働け。そして稼げ。そんな時代にどうして恋を語ることができようか。老いてしまったことなら知っている。だが時々どうしてか、初恋をしていたあの時に何度も戻る。 この手は、シワクチャなのに。 あの人は、あの時のままで微笑…

この時間だけ演じれば

社交界なんて興味もないが、王家が主催するパーティーとなれば参加しない訳にもいかない。どうせ私みたいな女に声をかける紳士なんているはずが――。「僕と一曲踊ってくれないかな?」 声をかけてきたのは王子で。彼曰く、色目を使う淑女に食傷気味らしい。私…

旅の果の景色を

旅人が集う交易街の人の多さに驚く君に苦笑する。私達は商人の装いだ。誰が第一王子と、その近衛騎士と思うだろうか。君は、町々の状況を知りたがる。人口、税収、交易からの経済実態。さらに君は交易の中からの、住人や商人、旅人達のリアルな情報を望んだ…

娘さんの偏頭痛

どうも、尾岡です。最近、娘さんが、偏頭痛に悩まされておりまして。職場でも色々なアドバイスをもらったり、相方さんと話したりするのですが、なにせ早退してのお迎え要請が多くて。 ちなみにうちの夫婦ですが、尾岡がケアマネジャー相方さんが、介護施設の…

あなたにあいたい

運命の出会いなんてない。私たちは漫然と日々の生活をこなす。昨日から今日、明日へ淡々とつながる。好きな人ができたら、それはそれでいいけれど、きっとそんな絵に描いたようなトキメキなんかやってこない。無感動のまま、私たちは頁の始まりから、頁の終…

君が隣りにいることについて

居心地が良くて。なんだか言葉を交わすだけで、染みこんで。当たり前に言葉を掛け合って。これが気が合うということなんだろうか。 君が言葉をかけてくれること、それが嬉しくて。もっと言葉が欲しくなる。その感情の意味を考えたこともなかった。 ――君が、…

雑感

イジメというのが、まさか自分の娘に降りかかってくると思わなかったのですが、これって誰にでも起こりえることなんですよね。 誰もが、簡単に加害者にも被害者にもなってしまう。詳細は割愛するのですが、娘からの相談で、家族会議に至りました。 僕はわり…

生命の水

水が滴る。滴が落ちる。その瞬間を正視できたのも、ほんの刹那で。直視すらできない、激痛が俺を襲った。「意識がまだあるか?」 白衣の男は、興味深そうにデータの変化を追いかける。 体が内側から灼け、激痛が体の中を駆け巡る。その様を尻目に、男はさら…

ハーフタイム

先輩のシュートが、ネットを揺らす。ホイッスルがけたましく鳴った。バスケットボールが、バウンドするとともに歓声が上がる。 ハーフタイムに入って、みんなが駆け寄る。マネージャーの子達が、スポーツドリンクを手渡そうとするが、先輩は汗を拭きながら、…

指が音を求めるけれど

かつてロックシーンを彩っていた時期もあったが、すっかり音楽業界に嫌気がさし、今や高校教師に返り咲いている。 あれほど嫌いになった音楽なのに、残業していると、ギターを触りたくなる時がある。音楽室の防音設備なら聞かれることもない。聞かれたところ…

名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)を観てきました!

【名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)】 名探偵コナンは、僕が高校生の頃からの連載で、ある意味時代を生きてきた名作なわけですが、実は劇場でしっかりと観るのが初めてでしたので、とても楽しみに行ってきました!同僚さんからもオススメされましたからね! …

PTA活動に終止符を打つ話し。(ややグチ)

2年間PTA本部で、副会長をしてきました。前会長さんから紹介を受けて、微力ながらお手伝いできたらと思いましたが、ちょっと挫けてしまったので、それを自分のセルフケアとして書きたいと思っています。 理由としては、中の人たちと折り合いがつけられなか…

花の育て方を教えてほしいんです

「殿下の様子がおかしい?」 近衛騎士の彼女から、相談を受けて騎士団長は面食らった。もともと自由奔放な彼女は、殿下を連れ回し、城下にお忍びへくりだす。 そんな彼女が悩んでいる。どうも、殿下が彼女に隠し事をしているらしい。殿下らしからぬが――そん…

乱舞

モニターから見ていた世界が全てだった。ラボでは全てが管理される。あてがわれた部屋には窓すらなくて。 繰り返される実験。私の手のひらの上で、煌々と燃える火炎。上手に壊したら、お父さんが喜んでくれた。 ある日――実験で一緒だった子が、私の手を引い…

娘さんが小学校を卒業したのだ!

今日は娘の小学校の卒業式で参加してきました。やっぱり6年間は長くて、あっという間で。どうしても涙腺が緩むのです。保育園の頃から知っている子が多いから、娘とともに感慨ひとしおですね。今月は卒業式シーズンですから、卒業、そしてニューチャレンジ…

悲しくない/雨フラシ

【悲しくない】 悲しい言葉なら慣れている。いちいち反応する必要なんかない。ただ、この感情だけ抑えたらいい。昂ぶったら、その瞬間に誰かを傷つける。だから、我慢をしてきたし、人の言葉に無頓着に生きてきた。関わらなければ、最初から摩擦もない。 ほ…

最初は誰もが不安なんだってこと

たまにお仕事の話しを。僕はリアルではケアマネジャーなので、この仕事でしか体験できないこと、学習できないことがあると想い、たまに備忘録で書いてみようかと思うわけです。 今回は、新規の利用者さん宅へ訪問をしました。毎回、なかなかない経験をさせて…

慟哭

あの人はきっと私が死んでも涙を流さない。 感情を流すには、私たちは長く生きすぎた。エルフと龍人、ともに長命の種だ。エルフは自然と共にあり、龍人は本能のままに血を求める。 惹かれたのは――きっとお互いの同情から。 彼は失ってばかりで。そして私は奪…

そんな薬があれば

シャープペンシルで文字を綴りながら、ひなたはチラッと爽を見やる。「人見知りをしない薬があればいいのにね」 そうひなたは言う。一部の人に対して素直になれるのに、それ以外では言葉にならない。その一方で、目の前の爽にならこうも素直になれる。 と爽…

アウトプットすることの大切さ

最近、書くことが楽しいなと思えて来たので、そんな話を。 いや、単純な話ではあります。書かないことを平常化させてくると書かないことが当たり前なんだと理由にしたり。 最近、インプットすることに躍起になっていたのですが(主に読書で) 楽しみながら読…

虚空の旅人を読んだ!

上橋菜穂子先生の精霊の守人シリーズ・第4作でございます。夢中になると、とことん読みたいのですが、仕事の課題をしていたりするとなかなか読めなかったのですが、今回も読めて満足でした。 では、お品書き。 1 あらすじ 2 ブクログレビュー 3 もうちょ…

アラフォー・ゼルダの伝説にはまり、ハイラルの大地に降り立つ

ゼルダの伝説 ラノベ臭がするタイトルで、こんちには。(画像は公式からお借りしましたぞ)2019年1発目のブログは、すごく久々にゲームをしました。セルダの伝説 ブレスオブワイルドです。もともとゲームは好きだったのですが、なにかとまとまった時間…