未来を彩る飾り付けを
腫れ物を触るように扱われていた。傀儡の王子だ、情勢が変われば暗殺される。
だから――命を晒すことも厭わずに、市井に出た。案の定、賊が金目当てに取り囲む。きっと、パンをあげた子が僕を売ったのだ。
(のぞむところだ)
と目を閉じると――鋼が衝突する音がして。
(え?)
目をこする。
「パンの恩義に応えなくちゃね」
と細身の剣で、全ての剣を受け止めた少女は小さく笑んだ。
「パン一つで遠いところまで来ちゃったかな」
と彼女は言う。彼女は白金の鎧を、僕は正装で王位継承の儀に挑む。着飾ることは辟易するが、未来を彩る飾り付けは王子にしかできないと君が言った。
その言葉に生かされた――。
(だから、望むところだ)
今夜開催です。お題は「飾る」です。場所、人、物、心、言葉等、「飾る・飾られる」光景を作品にして下さい。詳しい概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って今夜21時~24時に #Twitter300字ss のタグをつけて投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2017年3月4日
と言うことでTwitter300字SS参加作品でした!