物書き的お遊び
のっぽのドワーフ族・チビの巨人族。ウソみたいな組み合わせのコンビだが、依頼達成率はぎるどの中でも一、二を争う。ドワーフはファーニル、サーベルを帯剣し、その容姿はエルフと言われても驚かない。赤黒い皮膚がドワーフであることを証明しているが。 一…
うたた寝をしていたらしい。焼ける匂いがして。妙に空腹を誘う。生地を一生懸命、こねていたその姿を尻目に。 宮廷では、何も気にせずとも、料理が出てきた。 毒味に重ねる毒味で、冷えたスープや、固くなった最高級の肉を噛みしめて、味なんか感じたことも…
実田梢は臆病だ。こんなに臆病だと思わなかった。同じクラスになって三ヶ月。梢が気になりだしてから、4年3ヶ月もたってしまった。 本が好きな相模君は、暇があれば本を読んでいた。相模君は人付き合いが悪い。愛想もない。でも梢は知っている。彼は、友達…
寒くて、手がかじかむ。こんなことなら手袋を持って来れば良かった、と思う。でも、それを通り越すぐらい、みんなと一緒の新年は暖かかった。 大晦日の夜からお参りする事を「二年参り」という。言葉自身は聞いたことがあったが、いざこうやって自分がしてい…
灯油が切れた。毛布でくるまりながら、電気ストーブで温まる。風邪には風邪薬のチラシを見ながら――意識が飛んだ。「不摂生、きわまり無いですよ」葛根のスープを飲まされながら。朦朧とした意識の中で、唇に何かが触れる。お節介な後輩に今日は甘えよう。と…
ここは桃の花が咲き乱れる。甘く、芳しく。その中で、男性器も女性器も持たない、裸の【彼女】が横たわる。 仙人ともなれば、性別も表情も失われることは当然ながら、命の重さも軽くなる。仙術を志す、感情を残した生き物たちを見やりながら。 桃の園は、そ…
見る者が見れば、妖精が寄り添うように舞ったのが見えただろう。 銀の粉を撒き散らしながら、妖精は哀悼を示す。それだって魔力の無い常人には、風かわそよぐ程度でしかない。 最後の賢者と呼ばれた老人が、この世界に来たのは、350年前。彼は異文化の国…
これは契約なのだと言う。本堂の奥、床板が腐っていた場所に、その妖怪は眠っていた。衣一つまとわず――は思春期の男子高校生にはキツイ――まま納められていた彼女は、僕を見て笑った。 「元服を迎えた武士(モノノフ)が、儂に欲情するか。まぁそれも一興」 …
「あのさ、告白のロールプレイングに付き合ってくれない?」「は?」 家飲みをしながら、同僚はそんなことを言ってくる。 「告白って、どう言っていいか正直わからないんだよね」 こいつは……。入社の時から私が気になっている事を知っていて言ってるのか? …
オカザキレオの新刊タイトルは『これだけは言える!』#あなたの新刊タイトルhttps://t.co/ymfXN3QVrNミステリーでいっちゃう?(笑)— オカザキレオ (@oka_reo) 2016年5月15日 面白いので、これでなにも考えずにショートショートを。 <hr> 「私は見たんだからね」 </hr>…