猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

最後の一言

 

見る者が見れば、妖精が寄り添うように舞ったのが見えただろう。

銀の粉を撒き散らしながら、妖精は哀悼を示す。それだって魔力の無い常人には、風かわそよぐ程度でしかない。

最後の賢者と呼ばれた老人が、この世界に来たのは、350年前。彼は異文化の国から漂流したと言われる。魔力が無い癖に、精霊と交わる事ができ、火種や雷を機械によって起こした。泥水を飲み水に変えたのも、かの老人の功績だった。

その老人が最後に残した言葉は――。

この世界の住民には意味不明で不明瞭な言葉たった。

それもそうかと、最初から付き合いだったカマドの精霊は溜息をつく。

彼の国の言語は、この国では全く解読不能だから当然か。

 

(だけどねぇ……)

 

呆れるしかないというのはこの事か。

彼の言葉は、後進の学者たちの研究意欲を掻き立てる、聖典として扱われるのは難くない。

 

(でもねぇ……)

 

 

――おうどん、食べたい。

 

(あんた、昨日も食ったじゃない)

 

――それから、君が好き。

 

(そっちを先にに言え!)

 

300年は精霊にとっても短くない時だ。

悲しいという感情は精霊には持ち得ない。

 

カマドの精霊にとっては、食わせる食い扶持がいなくなっただけなのに――その火が消える。

 

風がそよぐ。

カマドに火が起こせない。

その意味を賢いこの国の人達はよく理解していた。

 

 

 

 

また、こんなものを書いてしまって……。

どうすんの、俺。

 

 

#小説書く人向けRTされたら晒すパート2

#小説書く人向けRTされたら晒すパート2

 

前回やっていたのに、またやってたのね。

RTくださった皆様、ありがとうございました。

 

 

 

1 物語のテーマ

それぞれあるのですが、共通する事は、

懸命で不器用で、だけどまっすぐな。

と言ったところでしょうか。

青臭いって言われても、なんと言われても。

前を向く。

派手に転んでも、諦めない君が素敵なんだよ、って言いたい。

もっと言うと、特別な能力なんかいらない。

誰かが誰かを好きだと表現する事は、どんな魔法にも勝ると思ったり。

うん、なんて青臭いんだろう。

 

 

2 小説を書き始めた年齢

 

小学校5年製でドイルと出会ってから、小説を書くという事を意識していたんだと思います。

本格的に書き記しようになったのは、21歳になってから。そこからあまり進歩はなし。学習能力なし。まぁ、そこが僕なんだと最近は達観しています。

 

 

 

14RTなので。ここまで。

ありがとうございましたー。

#小説書く人向けRTされたら晒すに答えるの回♪

診断メーカーでの

#小説書く人向けRTされたら晒す

にお答えします。

期待に添えない内容ですいません(笑)

 

 

 

1 ジャンル

恋愛、SF、ファンタジーあたりを好む無節操です。テンプレとか無視、無視。

セオリーある王道にそったオマージュを書くのは好き。

うん、天邪鬼ですね。

 

 

2 好きなシチュエーション

色々ありますが。

勇気を出して、精一杯の背伸びで自分の気持ちを言ったり

手をつなぎたいけど、勇気が持てない時に

「迷子なったら困るからな」

ってぶっきらぼうに、彼氏くんが手をつないでくれたりとか。

絶体絶命のピンチで、ヒロインが主人公の名前を呼んだ瞬間に

「遅くなって悪かったね」

って、敵を一刀両断にたりとか。どうですか?

 

3 文体の特徴

基本3人称ですが、心理描写が中心ですね。どちらかというと、軽い文体ではないと思います。回りくどいと思うし。

あと、これは思春期に読んだミステリ作家さんの影響ですが、

 

――(ダッシュ)

 

の表現が多いと思います。

個人的には映画のシーンの切り替えだったり、カメラアングルの切り替えを意識してますが、まぁ回りくどいよね。

でも、こういうスタイルで落ち着いてるので。おつきあい頂ける奇特な皆様には本当に感謝なのです。

 

 

 

4 参考にしている資料

ネットで検索した後、紙の資料を漁ります。

むしろ、日頃から資料を漁るのが趣味です。

今は使わなくても、いつか使うかもしれないので。

とか言いつつ、活字と戯れていたいだけなんですけどね。

 

 

15RTでしたので、以上で。

RTをくださった皆様、ありがとうございました!

 

 

婚約腕輪

これは契約なのだと言う。本堂の奥、床板が腐っていた場所に、その妖怪は眠っていた。衣一つまとわず――は思春期の男子高校生にはキツイ――まま納められていた彼女は、僕を見て笑った。

 

元服を迎えた武士(モノノフ)が、儂に欲情するか。まぁそれも一興」

 

そう呟いた声が契機だったのか、彼女の吐く吐息が、腕に巻きつく。

 

「な、何、これ?」

「生臭坊主の家系は、教えを一子相伝と聞いたが、ニンゲンの為す伝聞などその程度か」

 

ふむと頷く。い、意味がわからない……。

 

「疫で米も野菜もダメになった時代があってな。貴様の祖先は、儂に泣きついた。もともと、医の心得がある儂には造作無いことだった。その変わりに、供物を要求した」

 

「え? それって、人身御供?」

 

いわゆる生贄ってヤツじゃないかと、と唾を飲み込む。腕に巻きついた煙は腕輪となって、取れない。どう足掻いても、だ。これは観念するしかないのか、とから笑いしか出てこない。

 

「血は争えぬな。別に人間の血肉など、食ってもうまくはない。儂には興味がない事よ」

「え?」

「儂は優秀な子が欲しいだけ。生臭坊主は優秀な血はあったが、女にだらしなくてな。坊主が庄屋と不義密通とは、なんとも嘆かわしい事よ。血は良くとも、親がそれでは子は育たぬ」

 

「は、はぁ」

 

「故に、今日まで待った」

 

「へ?」

 

「坊――名はなんと?」

 

「え? 慶太だけど――」

 

「心音(ココロネ)が美しい。お主のような武士ならば、夫婦(メオト)となる事にも異議はなし。待ち続けた甲斐があったというもの――」

 

え? え? え?

この瞬間も、裸の少女は僕に距離を詰めてくる。

 

「ま、まって、待って! ちょっと話しあおう、色々ちょっと確認したいことが――」

「体で語ることも武士たる、か。一目惚れというものは信じていなかったが、この世に絶対は無い、ということか。天よ、閻魔よ。この出会いに感謝する」

「だから待って、ちょっと、待って、待って――」

 

 

 

 

 

 

この後、音を聞きつけた母が駆けつけて――さらに事態はややこしくなるのだけれど――兎に角、今はもうそれどころじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、女子高生っていう設定そのもが電波様、コラーって感じですが(笑)

男子が大好きな、幼馴染とか、近所のお姉さんとか、委員長とか巻き込みながらの、伝奇的ハーレムモノも面白そうです(笑)

告白ロールプレイング

 


「あのさ、告白のロールプレイングに付き合ってくれない?」
「は?」

 家飲みをしながら、同僚はそんなことを言ってくる。

「告白って、どう言っていいか正直わからないんだよね」

 こいつは……。入社の時から私が気になっている事を知っていて言ってるのか?

「女子はどんな風に言ってもらったら嬉しい?」
「そんなの人によるに決まってるじゃない」
「じゃあ、槙本は?」
「え……」

 言えるわけがない。何度、目の前の鈍感野郎にその言葉を投げようと思っているんだ?

「好きだよ」

 同僚は耳元で囁く。背中がぞくっとする。言われたかった言葉なのに、と思う。少しおしゃれをしたり、ご飯に誘ったり、休日を一緒に過ごしたり、買い物に出たり。それなのにコイツは少しも気づきもしない。

「付き合ってください」

 同僚は続ける。

「でも、付き合ってくださいって、あんまり好きじゃないんだよなぁ」

 とハイボールに口をつけて。

「槙本ならどう言う?」
「す……す」
「え?」
「ずっと、好きだったんだよ、バカヤロー!」

 煽られ、衝動に任せて言ってしまって――固まる。

 こ、これはロールプレイングだ。何を言ってしまってるの? アルコールの酔いとはまるっきり別の意味の熱さが体中を駆け巡る。

「うん、俺も」

 とニッコリ同僚は笑――う?

「槙本、好きだよ」

 ズルイ笑みを浮かべながら。こいつはいつもそうだ。飄々として。でも仕事で失敗した私に、さり気なく手を差し伸べてくれて。
 ズルイ、と思う。

「女子に誘導尋問で言わせるなんてサイテーだ」
「散々言っても気付かない槙本が悪いんだけど?」
「な、お前、そんな事を一言も――」

 と反論する暇もなく、彼は私を抱きしめる。バカ――と、こんな時でも悪態を吐く私は、本当に素直じゃない。

「槙本のバカは、好きと同義語だよね」
「そんなわけあるか」
「じゃあ、好きって言ってよ」

 私がどれだけ好きなのか、言葉なんかで伝わるか。
 だから私は、今まで伝えたくて伝えたくて仕方がなかった言葉を、唇に全てこめて――。

 

 

ふと、「告白」で書きたくなって、タラリンと書いてみました。

『これだけは言える』

 

面白いので、これでなにも考えずにショートショートを。

 

 

 

<hr>

 

 

「私は見たんだからね」

 と彼女が言う。表情が険しい。彼女はいつも感情的になる。僕は表立って、感情に出さない。だから日頃は面白いなぁと思って見るのだが、火の粉がこちらに飛び火してくるとなれば、また話は別だ。

 

「あんな風に優しそうに、私には笑ってくれない」

「……」

 

 もっと周囲に気を遣って、笑顔の一つでも見せてみろ、と言ったのは君なんだけどね。その言い付けに従って、少し笑ってみた。普段、無表情な僕が笑うことが、女子はよっぽど新鮮だったのか、キャーキャー言っていたが、僕には騒音にしか聞こえない。

 

 だいたい、僕は他人には興味がないのだ。誰が何をしようが関係ない。どう思っていようが関係ない。関わらなければ傷なんかつかない。僕はそれを学習した――はずだった。

 

 登校拒否をしていた僕に、彼女は学級委員長として、過分なまでに余計なお世話をしてくれた。

 まぁ、今となればそれも悪くはない。

 だいたいにして、彼女は面倒臭い。

 

「これだけは言えるんだけどさ――」

「え?」

 

 僕は彼女を覗き込む。。

 

「君以外に、興味はないからね」

 

 その一言で、君は頰を赤く染めて俯く。だいたい、こういう事に免疫がないくせに、ムキになったり感情的になったりする。

 少しイタズラしたくなった僕は、とっておきの本心を囁いた。

 

「もっと言うとさ――」

 

 ボソリと言葉にする。

 俯く彼女の肩が心なし、震えている。

 

「ズルい、今、そんな事を言うなんて」

 

 僕はニンマリと笑む。

 

「ズルい、今そんな風に笑うなんて――」

 

 面倒臭いので、彼女の唇を塞いでやった。

 

 

<hr>

 

 

登校拒否していた小悪魔的男子と

不器用優等生。そんなノリで。