猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

地球ゴージャス「ゼロトピア」を観てきた!


岸谷五朗さん、寺脇康文さんプロデュース、地球ゴージャスの公演を観てきました!

www.chikyu-gorgeous.jp

 

久々の、ある意味では正当な舞台は何年振り? って感じですが、ワクワクして観てきました。

 

あらすじ、公式から。

 

大きな大きな船が沈んだ……

生き残った人間たちが辿り着いたその島は

地図にない……色彩もない……島だった。

 

 


公式には、もっと長く、詳細なあらすじが載っています。が、観たいからと行って観ようにも、次は大阪公演で、チケット取得は熾烈を極めていると思うので。まぁ、あえて、詳細にはのせますまい。


キャストも豪華で、西川貴教さん(T.M.Revolution)の出演も見所。
DVDやブルーレイでの販売もあると思うのですが、空気がね。やはり演劇は空気だと思うわけです。
劇場の空気、役者さんとの距離の近さ、そしてカーテンコールでの垣根のなさ。
プロの演劇を、本当に久々に見たのでもう大興奮だったのですが。


と、興奮しているだけではダメだと思うので、
少し演劇考を。

 

ゼロトピアは岸谷五朗さんの造語だそうです。
ユートピアデストピア


どちらかと言うと、重苦しい感情のルツボは
デストピアにこそふさわしくて。

 

色のない島。
これこそ、演劇ならでは、ですね。
アニメーションとしても成立しそうですけど、
これを演劇の中で、岩肌や枯れた草木で演出したからこそ

 

なんて言うか、希望が眩しかった。

 

寺脇さんを見ていて
そして岸谷さんを見ていて思ったのは
相反する立ち位置の二人ですよ。
その二人が掛け合いをした瞬間に

 

デストピアだった舞台をユートピアに変えてしまうんだから
飲まれてしまうこと必至で。

 

これ他の日にはどんな風に演じているんだろうか、とか
計算しつくされた演出の中で
余裕のある遊び心を感じてしまうのでした。

 

他の日も観たい。
違う場所で観たい。
でもチケット争奪戦、他の地域ではソールドアウトですものねぇ。

 

僕らの地域では当日券が販売されていたという意味では
もっと、この芳醇な贅沢な時間というものを知ってほしいと思います。


物書き視点としては、少し脚本への所々の矛盾とか
近未来SF的な世界とか
本当に描くのが難しい世界で。

 

役者さんのエネルギーと
舞台美術が織り上げた、世界の美しさで。

 

人を憎んだり
恨んだり
そんなことなんか
ありませんって
言い切る

 

寺脇康文さんと、
それを言わせる岸谷五朗さん。

なんてステキなんでしょう。
本当に素敵な舞台でした。