夢だけでも見させて
ラボの中が、クリスマスムードなのを見やりながら、僕は白けてしまう。
ここは実験の結果が全てで。
くだらない――と吐き捨てた、その足が止まった。
あの子が、ツリーを見上げていて。
彼女の両親は研究者だ。両親にとっては、娘という認識よりもサンプル対象で。
可哀想に、と思うけど同情はしない。僕は、我関せず通り過ぎた。
「何が我関せずよ。特化型サンプルへのアクセスコードは難しいって――」
「姉さん、ちょと静かに」
彼女は、今年こそ両親がプレゼントを置いてくれると信じてやまない。僕らだって、それぐらい夢を見たっていいはずだ。
バカだな、って思うけど。それでも――。
「メリークリスマス」
僕は君に囁いた。
1時間後開催です。第三十八回のお題は「贈り物」です。物、言葉、想い等、誰かに誰かが贈り贈られる光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけ投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) December 2, 2017
ということで、twitter300字SS参加作品でした。
最近、忙しさにかまけて文筆が疎かだったのですが。
これを機会に、しっかり書いていきたいなぁ、と。
今回は、うちの子のあの二人プラス、シスコンなボクっ子姉様でした。
お粗末!