okazaki3project

オカザキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。時々、自主企画の告知とか。

霧の輪舞

 雨季が一年の半分を占めるここスチームシティーでは、霧が晴れることはない。
「ジョン、準備はいいかい?」
 とアーサーは鹿追帽を被りなおしながら僕に言う。君が決めたのなら僕はそれに従うだけだ。
「ここで間違いない?」
「煙草の銘柄、赤土を踏みしめた革靴、全て明確な推理の結果だよ」
 霧が街灯の光を吸い上げるようで。
 その刹那、朧げに影が揺れたのを僕は見逃さなかった。外殻を脱ぎ捨て、僕は吠える。
「ジョン、上出来だよ」
「なんで、バスカヴィルの魔犬が――」
 吸血鬼が呻くのもお構い無しに僕は噛み砕く。吸血鬼風情が僕を知っていることに驚くが、それもどうでもいい。
 アーサー、君は本当に僕を退屈させない。

 

 

 

Twitter300字SS

第48回目のお題は「霧」ということで、

もう世界観が、これしかなくて。

シャーロッキアンに怒られそうですが、

大好きなので、許してもらえたら!

今回も楽しかったです!

 

 

 

 

「闇の守り人」を読んだよね!

精霊の守人シリーズ第2巻

「闇の守り人」でございます。

引き続き、娘さんから早く読めと言われて、着手したら

例によってどっぷりでした。

 

ではお品書き。

 

 

 

1.あらすじ

 

女用心棒のバルサは久しぶりに生まれ故郷のカンバル王国にもどる。幼い日、カンバル王に父を殺されたバルサは父の親友ジグロに助けられ、生まれ故郷をあとにしたのだった。しかし、ジグロはそのため汚名を着ることになった。バルサはジグロの汚名を命がけで晴らそうとする。野間児童文学賞、産経児童文化賞受賞の『精霊の守り人』の姉妹編。

ブクログより引用)

 

 相変わらずヘビーであります。

 

 

2.ブクログレビュー

 前作、精霊の守り人後のお話で、

今回はチャグムもタンダも、そして大好きなトロガイ師も出ない。

先に読んでいる娘の話しをきながら、ちょっとショックだったのですが、

過去へ向き合うバルサとジグロ(養父)との過去の清算という意味で、

華々しさはなかったかもしれないけど、

チャグムと諸々を乗り越えた後の、過去との向き合いは

あっさりとのめり込んでしまったのでした。

これは第3巻以降も読んでいくしかない!

読むしかない!

ちなみにブクログフォロワーさん募集中であります!

 

 

 3.読書感想文

 チャグムもタンダもトロガイ師も出ないのかよ-、と娘さんの事前情報で知っていましたが(まだ言うかw

今回は養父・ジグロとの過去の清算回でした。

なかなか、壮絶な過去を背負っていると思います。

区切りを求め、また復讐なんて微塵も思っていなかったわけですが、

カッサとジナという若い二人が出会ってくれた事で

物語は加速するというか、必然だったというか。

 

 いろいろな事は思うのですが、

やはりこのシリーズの中で、

「魂の帰る場所」であることと、

「目に見えることが全てじゃない」ということ、

そしてオトナの身勝手さに振り回される子どもたちが、

僕の中でガシンガシン響くのでした。

 

特にオトナの身勝手さの部分ではね。

前作、夏至祭でも伝承が歪められた部分でも感じたりしましたが、

前回のチャグムは運命に翻弄されている感が半端なくありましたが、

 

今回、カッサは翻弄されながら、

最終的には自分自身で選ぶんですよね。

 

ジグロの背中を見ながら、バルザが生きてきたように。

この短い期間の中で

バルサの背中を見て、前を向く短槍使いが……

 

第2巻を読むだけでは、まだまだ先が見えない。

次回作を楽しみしながら(もうゲット済み)

心躍らせていきたいと思います。

 

 

ポメラを手に入れた!

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実はポメラを手に入れてから、結構な時間がたっていて。
歓喜の雄叫びを上げるブログ記事も書いていたのですが、
それも今さらアップするのも憚られるので、
今、公私ともに使用しているのですが、
一応、物書きの端くれとして
ポメラってどうなの? って所を書いていきたいと思います。まる。

 
※ちなみに写真は某ブログに触発されて
僕も真似してみた。謹んでお詫び申し上げます(え?
 
 
 
 
では、今回のお品書き。


1 テキストしか打てない。確かに作業は進む。
2 打鍵感。たしかに良いが、チープさもある。
3 良くも悪くもWindowsのメモ帳
4 辞書は使用していて違和感ないよ。
5 バッテリー駆動も違和感ない。
6 ポメラSyncは愛すべきオバカちゃんだと思えば許せる。急ぐならSDカードとQRコードが最高。
7 ポメラ純正ケース(別売り)について
8 付属辞書。それなりに使える。
9 皮脂はつきやすい。そして、結構大きい。だからの安定感。
10 アウトライン機能は素晴らしい!
11 その他


1 テキストしか打てない。確かに作業は進む。

結局、物書きが創作をする上で、作品を作り上げるのは物書き自身である。それは変わらないし、決してポメラが創作をしてくれるAIなわけではないです。
そのことを言及したブロガーさんも言われましたが、確かにその通りではあるのですが。ツールという意味であれば、ポメラは良い相棒になれると思います。
それしかできない。だから書くしかない。これも大きい。
一般のPCに比べたらキー感覚は狭いですが、だからこそ指の移動の範囲は狭い。エセブラインドタッチしかできない僕だから、なおさらなのかもしれませんが。
後はディスプレイとの距離、大きすぎない7インチ液晶。これも大きいような気がします。

2 打鍵感。たしかに良いが、チープさもある。

たしかに打鍵している感じがあります。
ただしネットで言われているような、
この打鍵感はクセになる! ポメラしか考えられない!
という程ではないかもしれません。ただキーボードの好みって人によるんだよね。
ポメラを触った後にMacBookAIRを使用すると、嗚呼、MacBookAIRも素晴らしいラップトップだったんだなぁと思います。(写真はMacBook Proね)
チープさはあって。そのキーによって打鍵感にバラツキがあるようなきがします。
僕は「る。>.」のカッチリこない打鍵感と、
「Enter」のカッチリと音が高く鳴りすぎる打鍵音が気になっております。
でも、こんなものかと慣れたら、まぁそんなものかなぁと。
あと、これはいろいろな方が書かれてますが、キートップがシール形式です。でも、打鍵していて滲むことも剥がれる様子もないので、とりあえずいいかな、と思っています。


3 良くも悪くもWindowsのメモ帳

です。僕が気になるのは、途中で修正をしようとすると、入力した文字で前の文章が覆い尽くされてしまう。Macではそういうことがなく表示されていたと思うので、ちょっと違和感。いろいろなことができて、スタイリッシュなメモ帳ですね。
でも、そこも良い。
「.txt」ファイルはどんな機種にも依存しない、最高の拡張子だと思っています。


4 辞書は使用していて違和感ないよ。

実は僕、初代ポメラユーザーでしたが、堪能する前に、折りたたみ式キーボードを娘に折られたという経緯がありまして。当時2歳の娘さんに、怒るに怒れないといった感情が濾過されて今に至る今日この頃です。
閑話休題
古参のポメラユーザー様は、過去のポメさんは(愛機はポメさんという名前に決定。黒猫だからクロといいたげな安直さw)
変換がオバカだったらしいのですが、堪能する間にキーボードを折られましたので、あまりそこらへんは分からない。
でも、普通に入力できています。AtokユーザーはPCnoデータを持ち越せるしね。
僕はMacなので、まぁ一から無垢なポメさんを、僕色に染め上げてあげるよ、と甘い声で囁くのでした。(うぜぇ)


余談ですが、ポメさんには予測変換なるモノはありません。僕はMacのライブ変換になれていたmんおで、どうかと思いましたが、そうです我ら物書きは予測してもらうより早く言葉が溢れてくるのです。思うより、そこまで必要ないし、そこもまた思考をシンプルにしてくれているような気がします。


5 バッテリー駆動も違和感ない。

ポメラ古参ユーザー様は電池式じゃないと! っていう意見をたくさんネット界隈で見ましたが、僕は特に。
1回4時間以上もポメラを触れる環境にいるわけでもなく。
そんなこんななので、僕は週に1回充電するかどうかです。電池の残表示が画面に表示されていて、それが気になる方は全画面表示するという手もあります。
思ったより長持ちではないでしょうか。
このバッテリーでATOKがプロ版採用みたいですしね。


6 ポメラSyncは愛すべきオバカちゃんだと思えば許せる。急ぐならSDカードとQRコードが最高。

僕が購入したDM200は、このポメラSyncがウリでした。これがなかなか設定からクセモノでして。G-mailを活用してやるし、ハウツー煮にしては検索したらそれなんりに出てくるので、ここでは割愛をしますが、設定が終わった後も不安定で、接続してくれなかったり、同期がうまくいかないことがありました。
君はISDN時代のルーターか!

だから単純なデータのやりとりなら、SDカード、QRコードでの受け渡しが早い。
ただパソコンにあるデータと同期をしたいという欲求がありますので、できたらドロップボックス等のクラウドサーバーに対応してくれないかなぁ。
DM3000あたりで。(0が一つ多いのは誤字ではないw)


7 ポメラ純正ケース(別売り)について

ブログによって評価が悪かったりしますが、僕は満足しています。背面について皮脂も拭き取ってくれるし(え?

パームレストも活用しています。ノートパソコンならありますけど、ポメラはコンパクトであるが為に、市井によっては手首が負担になるときがありますからね。
ただチープと言えばチープかもね。
文具屋さんであるという事と、ポメラのような競合機がないという意味では、独占市場です。値段の高さも、ここはお布施として勘弁してあげるしかないかなと思っています。

アップル製品の投資に比べたら安いよ!(え?



8 付属辞書。それなりに使える。

付属の電子辞書、なかなか使えます。類義語辞典があるのが嬉しい。でも思った。国語辞典と類義語辞典の冊子を手元に置いて、創作がしたくなってきた。紙の本が大好きおじさんです。

一応、他の方のブログとか読んでいると、必要最低限しか入ってないよとのことですが、電子辞書ではないし、必要な部分はやはり資料を集めていくのは物書きとして、必要だと思うので。あくまで参考程度、テキスト専門マシンのおまけとして捉えておけばいいのかなぁと思います。


9 皮脂はつきやすい。そして、結構大きい。だからの安定感。

折りたたみのポメラはキーボードがたわむイメージが大きかったです。
最新機種にしてエントリーモデルとなるのかな?
電子ペーパーディスプレイ搭載のDM30は、折りたたみ式のキーボードなので、
膝の上での入力はたわむとの評価がありました。
でも、ポメさんは、それは僕自身では感じません。

しかし皮脂はつきやすく汚れやすい。最早、使い込んだ勲章と思うようにします。
でも専用ケースなら拭き取ってくれます。
液晶用クリーナーでもきれいになります。

最初は割と大きいと思いましたが、
安定感を出す上で、これがベストサイズだと確かかに思います。

ディスプレイに関しては、もう少し拡大の余地はあるかもしれない。


10 アウトライン機能は素晴らしい!
「ctrl」+「F1」でアウトラインに切り替わるのが素晴らしい。

「.」もしくは「#」で階層を区切っていきます。
#親
##子
といった感じです。

まだ完全に活用できていないし、ポメさんは最高10万字なので
使いどころはそれぞれ悩むかもしれません。
手前味噌ですが、拙作「限りなく水色に近い緋色」も10万字を超えていますからね。
長編となると、ファイルを分割したりする必要がある。

でも、プロットを作ったりする上では非常に便利だと思います。
あ、仕事でも、今回、学会発表のレジュメを作るのにも重宝しました。


11 その他

・分割、比較機能もなかなか便利だけど、画面2分割になるので、せいぜいアウトライン止まりかなぁ、と思っています。

・マウスもない。トラックパッドもない。これは慣れ。

・電源ボタンは、スリープになった時しか使わない。基本開閉で電源on/offです。

・半角キーの位置が、Windowsユーザーは戸惑うかも。でも慣れたら大丈夫。キーカスタマイズできますが、僕は特にカスタマイズしてません。

・黒白切り替えも素敵。気分が変わるだけで、執筆が前向きになる。

・説明書の他、ヘルプでもキーボードショートカットは見れます。

・DM100では票が作れたらしいのですが、DM200では作れない。僕はあまり必要とはしてませんが、物書きさんによっては表計算ソフトで箱書きでプロット作る方も居ると思うので、そこは残念かもしれません。DM30は対応しているらしいよ。

・文章の見直しで、原稿用紙縦書きモードを活用しています。基本横書きな人なので、特に縦書きへの執着はないのですが。見直しとなると、縦書きで読むと新しい発見があるのは、やはり日本人なのですな。



こんな所でしょうか。
ポメラユーザーを「ポメラニアン」と呼ぶらしいですが。
あなたもポメラニアンとならんことを!
(ちょっとテキスト専門機として考えたら高いけどね)

少し長くなりましたが、こんな所で。
ではでは。

新世界/君のご飯が食べたい

【新世界】

 

 だいたい目立ちすぎるんだ。
 君に苦言を言われるまで、考えもしなかった。それなりに変装をしていたつもりだったが、君曰く、絹を纏う町人がいてたまるか、らしい。
 君にコーディネートをしてもらって、町に出る。
 王族なんて不便なもので、市井に出ようと思えば、護衛が壁をご丁寧に作ってくれるから、結局何も分からない。
「また難しい顔してるね」
 と彼女は野生竜の串焼きを手にする。ナイフとフォークが無い事に戸惑うと、
「こうやって食べるの」
 とかぶりつくので、それにならった。
 ――美味しい。
 自分の知らない世界が、すぐ近くに広がっていて。もっと知りたいと思う事は贅沢なんだろうか。この国のことと、君のことを――。

 

 

 

君のご飯が食べたい】 

 

 今時ね、男の人だって、ご飯を作れた方がいいと思うよ。

 そう君が言っていたことを、今さら思い出す。

 君の料理が一番美味しいからね、と僕は笑った。夫婦は共同作業だから、私だけ料理をするのはオカシイと言うので、僕もしぶしぶ料理を憶えた。

 惚れた弱みってヤツだった。

 不器用ながら、君のレシピを少しずつ憶えていったんだ。

 

 

「美味しいです」

 君は言った。

「どなたか、存じませんが」

 よかった、と僕は答える。懐かしい感じがしますと君が言う。それだけで充分。君に教えてもらった煮魚だ。できれば、もっと早く作ってあげたらよかった。

 ――君が僕を忘れてしまう、その前に。

「おいしい」

 その言葉があるから、次も頑張れる。

 

 

 

 

ということで、今回は2編参加です。

いつもの、王子と騎士な女の子と

ぷらすオリジナル。

まぁ、月並みですが。ちょっと僕はそういう仕事をしているので、

つい書きたくなってしまったのでした。

 

ちらっと読みましたが、他の方の作品も

世界が深く、のめり込む。

 

最近はなかなか読了ツイートすら残せていないのですが

隙間時間で、また楽しませていただけたらと思います。

「精霊の守り人」を読んだよ!

 精霊の守人を読んだよ! 

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

 

 

娘に勧められての児童文学です。
児童文学スキーなのですが、
上橋菜穂子さんは、なぜか読まぬまま経過していて。
相方さんが、多分、娘さんが2~3歳の時に読んでいたのではないかと記憶しています。

当時の僕は「面白そうだね」と素通りをしていましたが、
あれよあれよと映像化されて
「ふーん」と本の食わず嫌い選手権を自負している僕は後で後悔することになるのですが、
まさしうその通りでした。

本書は長い序章で
多分、いろいろな伏線が散りばめられていると思うのです。

そんな精霊の守人です。

あらすじ。【amzon.co.jpより引用】

100年に一度卵を産む精霊〈水の守り手ニュンガ・ロ・イム〉に卵を産みつけられ、〈精霊の守り人〉としての運命を背負わされた新ヨゴ皇国の第二王子チャグム。母妃からチャグムを託された女用心棒バルサは、チャグムに憑いたモノを疎ましく思う父王と、チャグムの身体の中にある卵を食らおうと狙う幻獣ラルンガ、ふたつの死の手から彼を守って逃げることになるのだが……

 

そして、おいらのブクログレビュー。

娘に勧めてもらって、読みました!
ずっと上橋菜穂子さんが気になっていて、相方さんが長女が2~3歳の頃に読んでいた記憶があって、食わず嫌いならぬ、読まず嫌いのまま経過したのですが、いざ娘に読ませてもらって、一気にのめり込んでしまいました。
(みんなが読んでいたら敬遠してしまう悪い傾向にあり。みんなが読んでいるということは、良作、傑作である可能性があるのにね。
こりゃ、読むべきです。これから2巻を読むのですが、1巻は始まりであり、これから始まる広大な世界の空気に、すでに触れてしまって、物語に酔ってしまったから、もう取り返しはつかない。物語を見届けにいきますとも。

 

 そんなハイテンションでお送りしましたが、さてここから少し熟考。



どうしようもない運命に翻弄されるチャグムに、子供たちはやはり焦点がいくんだろうか。でも僕は読んでいて、バルサとタンダの、戻れない関係、かなえられない甘い夢を見ながら、それでも前進しかできない不器用な大人たち、そこに感情移入をしてしまう。

バルサの視点は、まるっきりお母さんだし。
タンダの包容力は、ほとんどお父さんで。

タンダなんかさ、淡い初恋の時代を瞼の裏でいつも見ていて。
でもバルサが見ているのはチャグムを含む「今」なんだろうなぁ、と思ってしまって。
このすれ違いが、なんとも切なく感じてしまう。
でも甘い事なんて言えなくて。
だって、今、動かないと大地は枯れて、
人が死ぬ。
その役目を押しつけられたチャグムは苦悶していて
オトナの勝手な思いを子供に追しつけることができるわけもないんだよね。

でもチャグム自身、この1巻では抗いながら
運命を受け入れる選択をして
葛藤しながら、受け止めて
守られるだけの存在じゃないことを示したけど
それでも次に、それ以外の回答は許されない選択を迫られて。

でもね、守られるだけの時が終わって
有無を言わさない選択をしないといけないときがあって
それは突然やってきて。

そういう意味で、オトナって、オトナになるって
本当に面倒くさい生き物だな、って自分自身でも思うのです。

多分こういう視点って
児童文学を読むとき
娘の視点、息子の視点と
オナナな僕の視点って絶対違って

今、彼女はどんな想いで
物語にトリップしているのか
そういう意味でも気になりながら、僕も2巻にトリップしていきたいなと思います。

魔法をかけるなら、秋が良い

 魔法を一つかけるのにも手順は重要だ。正確な呪文、正確な陣、手入れされた法具、厳選された供物、そして清涼な空気のある場所が必要で。
 雨を降らせる、それだけでも魔力と接続するには細心の注意が必要で。下手をすればその力が逆流して、術者の魔力を根こそぎ奪ってしまう。
 まして、魔法で人を殺めるとなればなおさら。
 神術使いの最高峰、銀巫女と言われた子は無邪気に微笑む。俺が黒魔術士であるとは微塵にも思わないと言わんばかりの警戒心の無さで。
 彼女は魔法陣に足を踏み入れた。
 秋は静謐な空気が流れる。黄昏時、まさに魔力が強く高まるこの刹那に――。
「一目惚れって、信じます?」
 魔法をかけられたのは――多分、俺で。

 

 

 

 

恒例のtwitter300字SS参加作品です。

今回は「秋」

直接「秋」という単語を出してしまって、季節の空気感とか出せなくてちょっと消化不良ですが、タイトルが無造作に思いついて。書き切ったら、今は満足してます。

 

さて、他の方の珠玉な秋を満喫しますかね。

Hello,good by

 

 こんなにすり減らして、動いたところで何もできない、変わらない。足を引きずる。仕方ないじゃないか、そう言い聞かせて。
 帰って、ご飯を食べて、そして眠るだけ。コンビニが、冷蔵庫がわりだ。今日もビールとつまみを買って――。
「先生、遅かったねー?」
 かちゃん。缶ビールが落ちる。煮物の匂いが充満して。目をこすると、そこには誰もいなかった。
 生徒が土砂災害で流された。遺体は見つからず。
 近所の人とスコップを振って、泥に足を取られて、帰って眠るだけ。そんな毎日をくり返していたのに――。
 食欲をそそる匂いに誘われて、涙が出る。
 土砂の中で――今日、君を見つけたのは偶然じゃない。

 

 

 

 

 

仕事多忙で休筆していましたが、

参加も無理かと思っていましたが、

なんとか、荒削りながら書けたので

まぁ、今しか書けないかなぁ、と思って。

 

時間があれば、皆さんの作品も堪能したい。

やっぱり300字SSは楽しいのです。