猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

旅の果の景色を

 旅人が集う交易街の人の多さに驚く君に苦笑する。私達は商人の装いだ。誰が第一王子と、その近衛騎士と思うだろうか。君は、町々の状況を知りたがる。人口、税収、交易からの経済実態。さらに君は交易の中からの、住人や商人、旅人達のリアルな情報を望んだ。
 ――異教徒として征服した原住民との交易が此処では行われている。
 その話しを聞いた時の、君の食いつきようといったら。
 ――それで、どうするの?
 私が聞くと、君は真剣な顔で言う。――贖罪をして、それから国の未来を語りたい。
 君は王子としての生活が窮屈だと言う。でも君は誰も為し得ない旅にもう出ていて。
 君と一緒にこの旅先の景色が見たいと、本気でそう思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

第56回Twitter300字SS参加作品

今回は「旅」でした。

 

色々重ったのですが、

今回は旅に出られないけど

交易街に集う旅人たちを相手に、例の王子と騎士とお話をチョイスしてみました。

この子たちの旅路は書いていて楽しいので、僕も個人的に書いていきたいなと、衝動的に思ってしまいます。本当はあんな旅やこんな旅をと思いましたが、彼らがあまりにイメージの中で鮮烈なので、今回はコレで。

 

今回も参加できてよかったです。他の方の作品も楽しみにしながら、恒例の300字SSを楽しみたいと思っています。

今回もありがとうございました。ということで。

娘さんの偏頭痛

 

どうも、尾岡です。最近、娘さんが、偏頭痛に悩まされておりまして。職場でも色々なアドバイスをもらったり、相方さんと話したりするのですが、なにせ早退してのお迎え要請が多くて。

 

ちなみにうちの夫婦ですが、
尾岡がケアマネジャー
相方さんが、介護施設のスタッフというところもああり、
相方さんに電話連絡しても、サービス提供中なので、出れず。
ケアマネジャーは時間的余裕がある訳ないのですが、どうしても電話が連絡ツールの一つであるので、どうしても出られる環境にある。

 

そんな経緯もあって、どうしても僕が連絡先の一番で、お迎えも僕となってしまうわけですが。


そこらへんは、さておいて。
理解ある職場であることが救いでもありました。

 

痛みってのは難しいもので、
本人は辛いんだけど、
僕はその痛みを共有できなくて。

どこまでの痛みなのか、察してあげることができない。

 

相方さんは、どちらかと言うと偏頭痛持ちですが、
「痛みと付き合うしかないから、学校に行く努力はしなくちゃ」
というスタンス。
まぁ、それもわかるんですけどね。

 

理屈としては分かるんだけど、痛いのは本人だし。授業がうけられないぐらい気分が悪いってなってしまったら、それはどうにもならない。
我慢だけじゃ、どうにもならないトコロもあるよね、ってことで、もし今日も呼び出されたら、脳神経外科を受診しようと、相方さんと話をしてました。

 

そして、呼び出された。
今までで最高新記録じゃない?
8:45だぜ?


あ、でもそれはね。娘さんがそれだけしんどいことの現れであるので、それは仕方が無い。それは仕方が無いんだけど、おぉ、今週、まともにおいら仕事してねぇ。
一刻を争う緊急事態がなくてよかった、と今は思っておきます。

 

お迎え、そして脳神経外科へ連絡。
当日のお役で、MRIは無理なのは承知しているのですが、とりあえず連絡しないと」はじまらな――なんですって?

 

看護師さん「今日の五時で予約ぶちこみましたので、来てください」

 

看護師さん、ステキだぜぇ!
と本当にありがたくて、感謝しかない。
家に帰ったら、少し娘さんが元気。
学校では、あんなに気持ち悪かったのに。

 

過去のエントリーで少し触れたのですが、クラスメートとちょっとイザコザがあって、
控えめにもイジメともとれることを受けた娘さんです。
話しを聞いて、一緒に先生と相談をして――という経緯もあったのでした。
もしかすれと、心因性もあるかなぁ、と思っていたのですが。

 

検査の結果、悪性の腫瘍等はなかったとのこと。

 

先生「この時期から出てくる子が多いんです。対処は薬なんだけど、薬だけじゃダメで、自分の加減で、これは辛いなって時に飲む方がいい。処方で朝、夕と書かれているからといって、朝・夕で飲むのはナンセンスです」

 

頓服だからね。あ、でも娘ちゃんがしんどいからって理由で、朝昼夕で服用させていた。そういえば。

 

先生「飲むことが悪ではないんです。ただ付き合っていくしかないというか。薬依存になっても困るし、胃部症状が出たら飲んだらいけない。この痛みなら耐えられる、でもこの痛みなら飲んでいた方が良い。そこで折り合いをつけていくしかないんで、どういう状況で服用したら痛みが和らいで、楽だったかをノートにつけることをおすすめしますよ」

と。

 

言われていることは、至極もっともで。多分、利用者さんだったら同様の説明はできるんですけど。娘となると、落ち着かないね。6時間あければ良いという問題でも無いし、そもそも吐き気があるというところから、アセスメントすべきでしたが。

いかせん、娘となると冷静じゃいられなくなる僕です(笑)

 


先生「冷やしたり、横になったりすることで楽になる場合もああります。温度の急激な変化もいけないので、温度管理をしてあげてください」

 


話しを聞きながら、娘は落ちたようで。
「薬を飲んだ後に少ししえてから、気持ち悪くなったり吐き気があったから、あれって薬で胃が悪くなっていたのかな?」


デスヨネー。
冷静に考えたら分かる。


でも、冷静じゃないと、こうも見落としてしまうもので。気をつけないと、とも思ったのでした。そういう意味で薬は、気軽に考えたらいけないものだとも思いました。

 

老害ならぬ親害ですな。気をつけます。
ただ心理面、心因性も否めないので、学校にはスクールカウンセラーをお願いする次第。でも先生方も一生懸命考えてくれているので、一緒に相談していこうと思います。


色々な時期、多感な時期だから、
環境も変わって、色々な変化があるんだと思います。
その変化の中で、変わらないものがあって、
その中の一つには
僕らは絶対、彼女の傍にいる。
僕らが、君の味方だよって、メッセージを出すことだなと思っていて。

 

ナニが正解か分からないけど、
やっぱり娘さんと手探りでね
一緒に探すしかないと。
これしかないと。
それしかないんだろうな、と。

そんなことを思っています。

あなたにあいたい

 

 運命の出会いなんてない。私たちは漫然と日々の生活をこなす。昨日から今日、明日へ淡々とつながる。好きな人ができたら、それはそれでいいけれど、きっとそんな絵に描いたようなトキメキなんかやってこない。無感動のまま、私たちは頁の始まりから、頁の終わりまで、息をして物語が終わる、そのはずだった。
 だった――。
 あなたの指が、頁をなぞった瞬間に。あなたがこの物語を何回も読む姿が、刹那、なぜか私には、見えて――。
 あなたは物語を愛してくれる。私はこの物語の中でしか生きることができない。私はこの物語の中の登場人物の一人しかない。
 でもあなたに逢いたい。そう願い、その願いが二つの世界を壊すだなんて――。

 

 

 

君が隣りにいることについて

 

 居心地が良くて。なんだか言葉を交わすだけで、染みこんで。当たり前に言葉を掛け合って。これが気が合うということなんだろうか。
 君が言葉をかけてくれること、それが嬉しくて。もっと言葉が欲しくなる。その感情の意味を考えたこともなかった。
 ――君が、他の子が声をかけるまでは。
 あれ? なんなんだろう、この気持ちは。すごく、苦しくて、妙に辛い。なんでもない日常の風景なのに、君が他の子に笑うのが辛くて、でもまた私に笑ってくれるのは嬉しくて。
 この気持ちはなんなんだろう、と思いながら。また彼の笑顔を見たくて、言葉を考えて、行動に移す。


(お願いだから、早く付き合えよ!)
 周囲の声は、耳に届くはずもなく――。

 

 

 

雑感

 


イジメというのが、まさか自分の娘に降りかかってくると思わなかったのですが、
これって誰にでも起こりえることなんですよね。

 

誰もが、簡単に加害者にも被害者にもなってしまう。
詳細は割愛するのですが、
娘からの相談で、家族会議に至りました。

 

僕はわりかし短気な方なので
「うちの娘になにしてくれるんじゃー!」
と一人で怒っておりました。
泣いて相談してきた、娘が終いには笑っていたのは内緒です。

 

「ダメ、お父さん! 社会的な抹消を物理的にやっちゃダメ、絶対!」


なにやってんの、俺たち。
あ、でもこの話しが言えるようになる前は、シビアで
どうしようかな、って思いましたからね。

 

なんとなく反応が楽しいから、
同調してやってしまったから
深い意味はなかった

 

例えそうだとしても
受けた相手は
楽しくなんかないし
そんな負の感情に同調なんかできないし、
深い傷を背負うわけで。

 

色々な想いがあったり、
感情が錯綜したとしても
決して許されない事がやっぱりあるから。


家族会議の結果、
登校拒否ではなく、
娘が先生に手紙を書いて、渡すことにしました。
これは相方さんの意見。

 

まずは娘がなにに困っているのか
どういう目にあったのか
文章にして、今日渡してもらったのです。

 

娘は自分だけでは不安だというので、
僕も学校側に電話をしました。

 

ここの先生は良い先生だな、と思ったのが
すぐに手紙を確認してくれたし、
すぐに、娘を含む当事者を確認してくれたことで。

 

さらに、決して好意的な感情はもてないけれど
当事者の子が、確認をした時に
「自分たちがやった」
と認めて
「これはイジメだった」
と言ってくれたとのこと。

 

行動そのものは決して褒められたことではないけれど、
素直に受け止めてくれた子達であると思うし。

 


男の子と女の子、
社会という名のグループ
自分とは違う個、自分と少し似たカラー。
価値観とか、好き嫌いとか
色々なことが出る時期だと思うのですが、

 

どんな理由があっても
人を傷つける理由にはならないものね。

 

でも今日先生と話をしながら、
娘がね、
ハンディーキャップを背負っている子に手を差し伸べたりとか
娘の口から聞けないことも聞けたので、
それはそれで良かったのかな、と。

 

願わくば、失敗とか間違いとか
それは誰にでもあることなので、
優しく手を差し伸べられる
守ってあげられる
そんな時にこそ
そんな時だからこそ

 

手を差し伸べる必要があるんだよって、
大人が語ってあげたいな、と思うわけです。

 

強きをくじくは勇気がいるけれど、
弱気をくじくは、それ以上に情けないから

 

どうせなら、くじく前に、くじかれる前に
手をさしのべたい。

 

そんなことを思うのです。

生命の水

 

 水が滴る。滴が落ちる。その瞬間を正視できたのも、ほんの刹那で。直視すらできない、激痛が俺を襲った。
「意識がまだあるか?」
 白衣の男は、興味深そうにデータの変化を追いかける。
 体が内側から灼け、激痛が体の中を駆け巡る。その様を尻目に、男はさらにタブレットをその指でなぞっていく。
「普通はこの段階で細胞が死滅するんだが、君は耐えるんだな」
 この男はなにを――。
 この実験に成功したら、君は優秀な遺伝子保持者として、国から保護を受ける。もし失敗したとしても、全て貴重なデータだ。君の命含めて、その全てを保証しよう――。
「もう少し、生命の水(アクア・ヴィエ)を追加するか」
 ヤツは楽しげに、笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

twitter300字SS参加作品、そして実は拙作「限りなく水色に近い緋色」から、でした。多分、僕の作品を知らなくても、この空気感は楽しんで頂けるかなぁ、と。

救いのない展開ですが、僕は書いていて楽しかったのは鬼畜なんでしょうか^^;

 

でも、今回も楽しかったです。

ハーフタイム

 

 先輩のシュートが、ネットを揺らす。ホイッスルがけたましく鳴った。バスケットボールが、バウンドするとともに歓声が上がる。
 ハーフタイムに入って、みんなが駆け寄る。マネージャーの子達が、スポーツドリンクを手渡そうとするが、先輩は汗を拭きながら、気付かない振りをして私の元へ歩み寄る。
 先輩はスポーツドリンクが苦手だ。だから私は満を持して――。
「せ、先輩、それ私の、私の口をつけ、つけたヤツ!」
 きっとどう考えても冷静じゃない私を尻目に、先輩は小さく笑む。
「冷えすぎたミネラルウォーターもちょっと苦手なんだよね」
 この前は、よく冷えた方が好きって言ってたくせに――。
「お前の方が好きに決まってるじゃん」

 

 

 

 

 

恒例、Twitter300字SS参加作品でした。

299文字。

きっと、スタメンのみんなは思ったんだろうな。

「よそでやれよっ」て(笑)