猫の尻尾亭

尾岡レキが創作の事や読書感想を殴り書きするだけのブログです。アイラブ300字SS!

君との時間はおしまい

 気になる、って程度だったんだ、最初は。

 同じクラスが続き、当たり前のように話をしていた。壁を感じず気遣いをする必要が全くなくて。

 試しにさ、付き合ってみたら?
 無責任に誰かが言う。

 そんな失礼なこと言えるわけない。
 終わらせたくないって気持ちは強い。

 でも今までの強運もこれでおしまい。僕と彼女は離ればなれで。
 もうこの時間は終わってしま――

「佐島」

 彼女が声をかけてくれた。

「先生と生徒の関係もおしまいだから。そうしたら私、遠慮しないからね」
「え?」
「遠慮しないって言ったの。好きって、言った方がいい」
「先生、聞かれるって!」

 顔が熱いのは暖房のせいなんだ、きっと。

 

 

 

 

twitter300字SS参加作品、その2です。