扉の向こうのタカラモノ
この鍵で間違いない。深夜の宝物庫と言われこその場所に、記録上到達した者はいない。近衛騎士の彼女がこの真相を解明したいと言い出したのが始まりだった。その宝物庫にたどり着いた者は、神々の祝福を受けると言う。彼女がどんな祝福を夢見たのかはさておき。
さすがの僕も緊張し、唾を飲み込みながらゆっくりと鍵を回す。松明が照らしたのは――。
「本？」
ガッカリする彼女を尻目に、僕はその本を眺めていく。この国の土壌調査、災害記録、歴史書、どれも貴重な資料だ。全て民の為に活かせる。
「君は国民が最優先なんだよね」
「え？」
「私はガッカリしたけど、君には宝の山なんだろうね」
彼女は微笑む。――君は、やっぱり王なんだ。
第六十五回のお題は「鍵」です。鍵穴、合鍵、鍵盤等「鍵」の入る言葉でもOKです。「鍵」ある光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2020年5月31日
に沿って6/6日21時～24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい。
【２９９字】
恒例、Twitter300字SS参加作品です。
そして、王子と女騎士ちゃんシリーズ（仮称）のこの二人。
困ったときは、この二人です（マテ
財宝と思ったら、実は……というのを書きたかったので
今回は満足いたしました。
今回、SS名刺メーカーに初挑戦してみまして。
良いですね。ブログ本文でも画像でも、お好きな方でお読みいただけたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
なのです！
